3月の雪

2010.03.10 00:37|回顧
今日は東京も雪まじりでしたね。

3月に雪が降ると、必ず思い出すことがあります。

十代後半。
大学受験の予備校で知り合ったじゅんちゃん。

これまでの自分の周りにはいない「お嬢さん」でした。

今でいうセレブ~という感じのお金持ちではなく、
ごく普通の公立高校に通う女の子で、
お父さんは輸入下着の会社を経営しているという話でした。

時はバブルの頃。

当時、あまりそういったことに興味がありませんでしたが、
今思えば、うろ覚えに聞いた話を思い出す限り、
お父さんは起業家だったんでしょうね。

じゅんちゃんは、お父さんの買い付けに同行して、
良くヨーロッパに出かけていました。

海外に行った事もなく憧れていた自分からすると、
それが本当に羨ましかった~。

でも、じゅんちゃんは、
そういうことを鼻にかけるようなところが全くありませんでした。

大学進学後、お父さんの事務所と称して、
じゅんちゃんは都心にマンションの1室を買ってもらい、
一人暮らしをしていました。

何度か遊びに行ったな~。

海外製のインテリア用品や持ちモノに囲まれた部屋で、
じゅんちゃんが手作りの料理を作ってくれ、
二人で飲めるようになったお酒を飲みながら、
夜通しおしゃべりしてました。
きっと恋バナ炸裂だったんでしょうねぇ…(覚えてないけど)

と~っても楽しかった。

そんなじゅんちゃんと、
3月のある日、銀座で待ち合わせをしました。

3月に積もるほどの雪が降り、
銀座も幻想的な光景に変っていたことを思い出します。

二人向かい合った喫茶店で、
ウェイトレスさんが、じゅんちゃんのピーコートに
お茶をこぼしてしまう…というハプニングがありました。

結局、ものすごく恐縮したお店側が、
「いいんです。いいんです。大丈夫です。」という
じゅんちゃんに、クリーニング代を包むことで
一件落着しました。

渡されたクリーニング代は、
その時自分が、背伸びして買って着ていたコートより
高い金額でした。

実際、じゅんちゃんが着ていた当時流行りのピーコートは、
とても高価なものだったと思います。

薄いキャメル色で、上品な光沢。
ウールのようなあたたかそうな生地なのに、
きめが細かくて、見るからにしなやか…。

私にとって、
それが初めて意識した100%カシミヤだったのだと、
数年あとになって思い至ります。


後日談ですが、

やはり数年後、じゅんちゃん本人が、お父さんが破産して、
都心のマンションも手放したんだよ。と話してくれました。

そんな話を、隠すわけでもなく、決まり悪そうでもなく、
淡々と、いつもと変わりなく落ち着いた様子で話すじゅんちゃんは、
相変わらず上品でした。

お互い結婚し、もう20年近く縁遠くなっていますが、
年賀状が来るたび、そして、
今日のように3月に雪が降るたび、

雪の積もった銀座の景色と、
お店の人に「大丈夫です。」と断っていた控えめなじゅんちゃんの様子と、
上質な薄いキャメル色のピーコートの残像が、
思い出されます。


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プロフィール

sango*

Author:sango*
こんにちは。
都内在住アラフォーの妻です。

抱える借金6千万orz…。

某業界超末端に位置する自営業。
前代からの大借金で明日にも廃業の危機。
こども一人抱え、
仕事も家もまもなく手放すことになりそうです。

そして、
こんな状況にもかかわらず、
ずるずると無駄買いをやめることのできないダメダメな私…。
日々、物欲と格闘中。

長くなりそうなので、プロフィールの続きは、
ブログ本文に書いていきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

追記:2009年、ブログをつけ始めてから、
2010年に、マイホームは売却しました。
その顛末は、カテゴリ≪売却準備≫で
記事にしています。

追記:2011年1月 義母との調停が始まってしまいました…orz

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